N-Wave VOL.116
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24目次紹介(一部抜粋)頼が入って、対応をしていたそうです。しかし、Aさんには「どっちが大切なのか!」と叱られそうで言わなかったようです。 このケースの問題は、「仕事を止める」だけではありません。他に問題が隠れています。部下が「本音を言えない」ことです。原因はリーダー側にあります。 リーダーは部下からすると立場が上です。リーダーが思っている以上に、部下はリーダーに脅威をいだいています。「大丈夫?」と聞かれたら、「大丈夫じゃない」とは言いにくいのです。➡部下が何も言わなくなる原因 グーグルが、チームを連営する際に、重要な要素としているのが「心理的安全性」です。 心理的安全性の高いチームは、安心してリーダーや同僚に意見を言います。「言ったら怒られる」「評価が下がるかもしれない」というネガティブな要素を感じないからです。 ➡「オープンクエスチョン」で話しやすくする 今回のケースでは、部下が本音を言いやすいように「あと2時間で仕上げてほしいんだけど」の後に、「他に今どんな仕事を抱えている?」「時間がかかりそうなのはどの部分?」「わからなくて困っているのはどこ?」と付け加えればいいのです。 このように、部下の「心理的安全性」を確保することで、部下が本音を言いやすくなります。表面に見えている問題だけでなく、その裏にある問題も顕在化します。結果、部下にとっての根本的な問題を把握できるようになるので、指導も的確なものになるのです。 もちろん、プロセス目標の達成を評価するのはいいことですが、結果が至らなかったので、下期は修正すべきです。 AさんはCさんに対して、上期の振り返りと下期への対策を面談でヒアリングしました。すると、Cさんはどうやら途中から企画成立の目標をあきらめていたようです。Aさんは「何とか企画提出という×プロセス目標だけでも達成しよう」と言って成功体験を得られるようにしようと思っていました。 もちろんプロセスは大切ですが、結果を無視してプロセスだけ達成しようとするのは無意味です。➡目標設定が間違っている 仕事は難易度に応じて、「安心ゾーン」「挑戦ゾーン」「混乱ゾーン」の3つの領域に分かれます。 部下が「混乱ゾーン」に入るような目標数字を出してきたら、「チャレンジするのはいいこと」とそのままの数字を目標にするのではなく、リーダーは「無理な目標は立てないように」と、少し負荷がかかるけど達成できる「挑戦ゾーン」の範囲の目標数字に修正するようアドバイスする必要があるのです。 そのうえで、企画提出件数という「プロセス目標」については設定するにしても、「これはあくまで目標達成するためのプロセスの数字で、達成しようがしまいが関係ない。追いかけるのは最終目標だけだ」と「プロセス目標」という逃げ道はふさぐのです。 目標が困難だと挫折しやすい。目標が簡単だと部下の成長につながらない。リーダーは目標が達成可能かどうかを見極めて、時には是正指導をしていかなければならないのです。「大丈夫かな?」では「はい」しか返ってこない。不要なプレッシャーをなくし、困ったときの助け舟になるように聞いてみるポイント少し負荷のかかる結果目標を設定し、プロセス目標の逃け道をつくらないポイント残業させずに帰らせても、結局仕事は残ったまま。根本的な問題を解決できていないやり残した仕事を明日以降、どうカバーさせていくかが大事仕事の優先順位がどうもおかしい。締め切りに追われるスタイルを変えられないだろうか?「成果」と「実現度」の軸で大事な仕事を後回しにさせない何でもかんでも聞いてくる心配性の部下を一人立ちさせたい判断力を伸ばすことで自分で考えて行動する部下に育てる部下の初歩的なミスが続き、致命傷になる前に防ぎたい初歩的なミスの軽減は言葉がけ運動に勝るものはない部下によってコミュニケーションが偏ってしまい、相談にめったに来ない部下がどう思っているか心配だ会話の少ない部下には、挨拶を心がける自分のこと以上にチームのことを考えて動いてほしい他人ごとから自分ごとに視点を切り替えさせる著者紹介吉田幸弘(よしだ・ゆきひろ)リフレッシュコミュニケーションズ代表コミュニケーションデザイナー・人材育成コンサルタント・リーダー向けコーチ 経営者・中間管理職向けに、人材育成、チームビルディング、売上改善の方法を中心としたコンサルティング活動を行ない、累計受講者数は3万人を超える。 著書にロングセラーとなっている『リーダーの一流、二流、三流』(明日香出版社)などがある。

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