N-Wave VOL.116
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ら2月中旬にかけて体験できるツアーで、津軽の冬のかつての標準装備品である、「モンペ」、「角巻(かくまき)」、「カンジキ」の3点セットを着用し、真っ白一色の津軽平野の雪原を、地吹雪が吹き荒れる中、ひたすら歩くというものです。 私も学校の行事で体験したことがありますが、防寒具3点セットを身に着け、雪原に降り立つまでは良かったのですが、強烈な吹雪のせいで1メートル前も真っ白で何も見えず、初めはツアーに来たことを後悔した記憶があります。それでもみんな1列になって少しずつ前へ進んでいくのですが、やがて馬ソリが現れて、今度はその馬が引くソリに乗って雪原を大疾走します。これが本当に楽しかったです。最後は冷え切った体を、郷土料理の「鱈のジャッパ汁」を食べて終わりになります。 この企画は、金木町生まれで「ラブリー金木」の代表である角田 周さんという方が発案したもので、地元では当たり前の風景だが、厄介者でもある「地吹雪」を、雪を知らない南国のお客さんに見せたら驚くのでは?と冬の厳しい自然現象を逆に利用し、「地吹雪体験ツアー」が企画されました。しかし当時開催される前は、冬の厳しさをあまり知らない方たちからは、「地吹雪」の事を「血吹雪」と間違えられ、地元の人々から「金木の評判を落とすような真似はやめろ」と大変な非難があったそうです。ただ、角田 周さんは辛抱強く、日本全国の主要メディアに手紙を送ったり、飛び込み営業をして「地吹雪体験ツアー」を番組内で報道してくれるように交渉し、ついにTBSの人気番組内で取り上げてもらえるようになりました。昭和63年の1月29日に第1回目のツアーが行われ、当時は参加者の人数より、取材をしたいテレビ関係の人数の方が多く、かなり注目を浴びていました。 さらに、第4回目のツアーでは、ハワイ・台湾を中心に諸外国からの参加者が増え続け、特にハワイからの参加者が非常に多く1,000人を上回り、昭和63年から現在に至るまでで、参加者累計は1万人を超えています。ツアー参加の方々は日本の冬・昔ながらの日本の文化を満喫し、参加者のほとんどがお土産にゴムの長靴を買って帰国していたそうです。またリピートするお客さんも多く、海外の方でも2回目に体験する時は、初めてのお客さんに防寒着を着用するのを手伝ってくれたりとコミュニケーションがとれ非常にユニークで楽しいツアーです。まだ体験されたことのない方は、弘前市の春の「桜まつり」、五所川原市の「立佞武多」だけでなく、冬の「地吹雪」ぜひ1度体験してみて下さい。 最後に青森県のおいしい郷土料理を少しだけ紹介したいと思います。青森県は海と山の幸が豊富で、大間のマグロ刺身や名物ニンニク漬け、ホタテの貝焼味噌といったメジャーな物ももちろんおいしいですが、私がオススメしたいのは汁物で冬の冷え切った体を一瞬で暖めてくれます。津軽地方では、津軽の七草粥とも言われる「けの汁」、青森県のうまい魚のアラを使用した「ジャッパ汁」、イワシのすり身と枝豆をすり潰したダマコ(つみれ)がおいしい「いわしのすり身汁」。南部地方では、すりおろしたじゃがいもと片栗粉で作った餅が入った「イモのおづけばっと」、ウニとアワビのお吸い物「いちご煮」、八戸煎餅を使用し、醬油で煮たてた鍋料理「せんべい汁」など、全部は紹介しませんが、他にも様々なおいしい郷土料理があります。冬の冷え切った体を一瞬で暖めてくれますので、気になった方はぜひ1度青森県の「冬」を体感しに行ってみてはいかがでしょうか。◀せんべい汁立佞武多カンジキを履いた様子◀いちご煮22

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